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 コラム 

2014/2/15  「メタ認知」
 

 この間テレビで「メタ認知」という言葉を初めて知りました。最近の心理学などではよく使われる言葉だそうで、検索してみたらかなり色んな記事がアップされていました。

 簡単に説明しますと、メタ認知とは「人間が自分自身を認識する場合において、自分の思考や行動そのものを対象として客観的に把握し認識すること。」それをおこなう能力をメタ認知能力というのだそうです。

 ヨガでも自分を客観的に見るということは必要な能力です。最初はポーズをとっているとき、自分がどのような形をとっているのか、どの辺りに緊張があり、関節や筋肉が動きづらいのか、なかなかわからないですが、自分の肩に必要以上に力が入っていることや、人と比べて恥ずかしいと思ってしまっている自分とか、やる前から出来ないと思ってしまう自分など・・・そのうち気づくようになります。気づくことでどんどん変化が加速していきます。

 わたしはヨガをするまでは人からどう見られるかというか、人の反応次第で自分を誉めたり、罰したりしていたと思うのです。だからブレブレで、自分が定まらなくて、人と比べることで自分をはかっていたから、自分より優れている人がいれば落ち込み嫉妬し、自分より劣った人がいれば安心し、常に今の自分はどの位置にいるのかということが気になっていました。だからといって真剣に努力もしていないし、かといって諦めることも出来ない面倒くさい奴だったと思います。

 でも、ヨガを続けているうちに客観的に自分を見られるようになり、ヨガをしている時間だけではなく、日常生活や仕事などにも反映されてきたと思うのです。それはヨガが自分の外側にも内側にも意識を向けるからなのではないでしょうか?たとえば美を争う競技であれば、やはり外側ばかりに目がいきがちです。この角度が美しいとか、この衣装が良いとか、この技術が素晴らしいとか、順位はどうかなど・・・。

 実際、外側や世間体を気にしてヨガをしている人も指導している人も皆無ではありません。ヨガ全般がすべてそうだということでななくて、競技であっても意識の仕方次第だと思います。それに外側を気にすること自体が悪いということじゃなくて、外側を気にしてるということにもちゃんと気づいた上で行なっているかどうか・・・なのだと思うんです。やっぱり、客観的視点が大切ですよね~

 ヨガで重視するのは「今の自分」なのです。過去でも未来でもない今の自分。だけど、今の自分は過去とは切っても切れないし、今の自分が未来の自分につながっている。だから今の自分を変えることで未来の自分が変わるということにも自然と気づくことが出来ます。

 そして、努力もせずに結果だけ求めていても駄目だし、頑張りすぎても駄目だし、バランスが必要なのだと気づくことが出来るようになると思うのです。

 かつてのわたしは何度も申し上げてますが、勝ち負けや損得で物事を判断していました。なので、メタ認知なんて全然していなかったに等しいです。能力もほとんど使っていなかったと思います。客観的に自分を見ることができていれば「ああ、今自分は人の顔色を伺って、利益がいいほうへ流れようとしているな」とか「このままでは今までと同じ過ちを犯すぞ」とか「この人より自分が優位にたっていることでいい気になっているな」とか気づくことが出来たはず。

 自分をコントロールするということがメタ認知においては重要で、それは自分という人間をきちんと把握していなければ出来ません。自分がどんなことに知識を持っていて、能力がどれぐらいあって、どんなことが出来るのかということを知り、そして自分をコントロールして、操縦し、更に客観的に自分を見ることで、色々なことにまた気づくことが出来るのです。まさに正のスパイラルですね。

 今年の私のテーマは「調和」なのですが、そう心に決めた途端、色々と試される場面が増えてきて、今までになかった人間関係なども出来てきました。今年は更に自分の可能性が広がるような気がしています。もう44歳、今年45になりますが、ヨガをはじめてから毎年「今年が一番成長している」と思えるようになりました。それって幸せだな~ってしみじみ思うのです。

 それはやはり、ヨガを始めてから自分の限界を勝手に決め付けず、人との関わりをなるべく避けないようにするということを実践してきたからなのだと思うのです。かつての私であれば絶対受け入れなかったであろう面倒な事などにも、今のわたしはスンナリと「あ、学ぶべきことがあるのだな、よしやってみよう」と挑戦することが出来るようになりました。挑戦すれば失敗する場面が増えますが、メタ認知していれば、次回に活かすことが出来るし、失敗も大切な経験だと思えるのです。

 もうすでに色んな変化が起こっているので、今年はどんな一年になるのか凄く楽しみです。(合掌)