Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2014/3/19  「気持が重いとき」
 

 自営でヨガの先生なんてしてるというと、凄く積極的で行動的だと思われるのですが・・・本当はとても消極的で内向的なほうなのです。もちろん、ある部分には積極的だったり行動的に出来るのですが、例えば何か商品を売るとか自分を売り込む・・・という時にしり込みしてしまいます。新たな友だちをつくるというのも苦手です。初対面では自分からはなかなか話しかけられません。

 だから、実は自分が"先生"と呼ばれる仕事をしていることに一番驚いています。ヨガが好きだという情熱だけで、今までやってこれたのですが、さすがに7年目ともなると、情熱だけでは乗り越えられなくなってきますね(笑)

 何か自発的に動かなくてはいけないとき、胃が痛くなったり、呼吸が浅くなったり、気持が重くなってしまいます。一番の原因は「認めてもらえなかったら」という不安から来るものです。

 自分が絶対に裏切られないとか、相手から信頼されているという100%の自信を持っている人はこの世にいないのはわかっているのに、成功している人、周りから好かれている人は明らかに自信があるように見えるので、自分が今もっているちっぽけな自信なんて泡のように消えてなくなってしまうのではないか?全否定されるのではないか、失敗してまた傷ついてしまうのではないか・・・と動く前から思ってしまうのです。

 そう思ってしまうと、怖くて一歩が踏み出せずに、同じところをぐるぐる堂々巡りしているうちに、疲れはてて、もうどうでも良くなって、自分が最初どうしようとしていたかすら忘れてしまうことがあります。これがまだ自分自身の人間関係だけのことなら、そうやって逃げていてもいいですが、仕事だったり、人からの頼まれ事の場合、逃げてもいられず、いつかは対処しなくてはなりません。

 そんな精神状態で対処すれば、上手くいくはずだったものも、ミスをしたりして「やっぱり、ほら、こういうことになった」という結果になって、落ち込むことが多々ありました。それは結局、自分が招いた結果なんですが、昔はそうは思わなかったんですよね。

 ヨガを始めてから、自然と自分と向き合うようになり、常に自分が人からの評価に脅えていたこと、相手のことも心のどこかで評価をしてしまっていたこと、そして自分の順位がどの辺りなのかということを意識していたのだと気づくことが出来るようになりました。人間づきあいが苦手だとか、人見知りだとか、そういう言葉で曖昧にして、問題から逃げていただけだと気づいたのです。自分の弱さを認めることが必要だったのです。

 弱さを認めたことで、実際に行動を起こさない限り答えは出ないし、たとえ、否定されたり、嫌われたりしても、全世界から否定されたわけでもないし、その人が周りの人に悪口をいいふらしたりして、落ち込んだとしても、24時間落ち込み続けることは出来ないのだし、大抵の場合、時間が解決してくれます。

 それに、傷ついてしまうのは、相手や自分に対して「期待」してしまったからなのです。自分が勝手に期待していたことに対して、勝手に落胆したりしているだけだと気づいたことで、相手のことも自分のことも許せるようになってきました。前は少なくていいから親密なつきあいがあればいいって思ってましたが、それはそれで大切だけど、ある程度浅い付き合いも必要だし、そこから深いつながりが生まれてくる人もいるのだし、自分で決め付けない付き合いをすることが必要だと思えるようになりました。

 自分の問題を認めるということは簡単なようでいて、難しいことです。弱さを認めるのは勇気がいることだと思います。その弱さからくる間違いを認めることは自分の心の汚い部分を表面化しなくてはならないことでもあるからです。みんな自分の弱さを認められず、問題をごまかし、そのことを正当化するために無駄な努力をしてしまうのだから。

 わたしは、人から評価されなければ失敗と同じだから、いっそのこと何もしないほうがマシだと思い込もうとしていました。そう思い込むことで自分を成長させることから逃げていたのです。

 でも、自分の弱さに気付き、勇気を出して一歩踏み出してみると、嫌われたり、否定されることって、自分が想像しているよりも意外に少なかったりするんですよね。

 こうやって、自分と向き合うことが出来るようになったのは、ヨガをしたことでリラックスすることが出来るようになった・・・ということが大きいと思います。力んで緊張していた身体の力を抜くことで心の緊張もいつしかとけていたのだと思います。リラックスする時間が増えると、ふと、「あ、そういうことだったのか」と気づく機会が増えるようになるのです。

 今読み直している本にリラックスする方法のひとつとして「川の流れをイメージする」ということが書かれていました。右から左でも、左から右でも、上から下でもなんでもいいのですが、サラサラと流れていく水の流れをイメージすると、気にしていたことが川の流れとともに流れ去っていくように思えます。

 何か問題に立ち向かうとき、やはりどうしても弱い自分が出てきて、後回しにしようとか、なんとか逃げたいという心理状態になってしまいます。そんなとき、深呼吸をして、川の流れをイメージするのです。そうすると、逃げようとしていた自分がちっぽけだなぁって思えるし、出来ないことを言い訳にせずに、出来ることをやろう、失敗したって死ぬわけじゃないしって思うようになりました。

 もちろん、すぐにそう思えるわけじゃないですが、悪い自分の思考パターンに気づくようになり、軌道修正できるようになってきたと思いますし、最近になって、どんどん無駄な肩の力が抜けてきたように思います。 合掌