Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2018/3/21 「存在意義」

  今年は通販で服を買わないという誓いをたてブログのほうで宣言してみました(笑)。

 病気になってから、その不安なのか仕事の悩みとかで気が付くと通販で服を買うことがストレス解消法になっていました。通販サイトで服を選び注文し到着するまでは自分の不安や欲望から目を反らすことが出来て、私には一番簡単な方法だったのです。

 ずっと自分が買い物に依存しているとは思っていませんでした。今年に入ってふとそのことに気付いたのです。それまでは何かと自分に言い訳をして、いくつまでオシャレを出来るかわからないし、服が好きだし、安いし・・・と、買うことを正当化していました。前回のコラムに書きましたが国民の幸福度が高い北欧の生活をテレビで見ていて、なんだか自分が恥ずかしくなってしまったというか・・・

 そして、ネットで買い物をすることを封印してしばらくしたら、自分が仕事のことで悩みたくなくて、悩みから目を反らすためにしていたと気付きました。

 寒くて雪が多い冬はお休みの方が夏場より増えます。でも今シーズンは自分では想像していたよりもお休みが多くて自分のレッスンがダメになってしまったのかも?とか、このまま休みが増えるとやめてしまう生徒さんが増えてしまうかも?と不安になってしまいました。出席率の悪いクラスは、いっそ減らそうか?と思ってしまったりもして・・・

 レッスンするのが大好きだし、マンツーマンでもレッスンをすることに抵抗はないのですが、これがずっと続いたらどうなるだろう?今までは収入の面では月謝制だったから毎月確実に見込める分が想定出来たので生徒さんが休んでもお金のことを心配することはあまりありませんでしたが・・・。

 自分の意志で月謝制を廃止したのに、そのことで自分が苦しむことになるとは・・・(苦笑)。いつ再発するかもわからないし、体調を崩しお休みすることも想定し月謝制を廃止したのですが、昨年の検査入院以降、風邪も引いてないし手の痺れと痛み以外は有り難い事に至って健康なのです。かといって月謝制に戻したら病気が再発しそうな気がして戻したくないのです。

 生徒さんはたまたま忙しいだけ、たまたま体調を崩しているだけ、たまたま休みが重なっているだけ・・・と思うようにしながらも、どこかで不安や思い通りにならない苛立ちがあり、月謝制だったらこのくらいの収入だったんだよな~・・・と比べてしまうそんな自分が嫌いになっていました。

 そんな時、私がヨガを始めるきっかけとなった綿本先生の最新刊「一瞬で自己肯定を上げる 瞑想法」を読みました。今では本を沢山出版していて海外でもメディアでも活躍している先生がオウム事件の後、生徒さんがゼロになってしまうことが何度もあったそうなのです。自分がそこにいる意味のない時間が何度も続いたとき、「その人が、私のクラスに来てくださることで、私がその時間そこにいる意味が生まれる。大げさに言えば、私の存在意義が生まれるのです」と思ったそうです。そんな風に悩んだ時期があったということをはじめて知りました。

 そうだったなぁ・・・とこのサロンを最初にオープンした頃、本当に生徒さんが集まってくれるのか不安だったけれど、一人でもいる限り私は続けようと決心したこと。もし、生活が大変になったとしたら、アルバイトすればいいだけのことだと覚悟を持っていたことをはっきりと思い出しました。

 そして綿本先生はロンドンで禅とヨガのワークショップの時に英語で話さなければならないプレッシャーとよりによって難しいテーマを選んでしまったという後悔でひどく緊張してしまったそうなのです。始まる5分前にすっかり怖気づいていたとき、ふとした瞬間にはっと我に返り「私は今、この人たちから何かをもらおうとしている」と気付いたそうです。それはこのジャパニーズはなかなかやるなという評価であったり、参加者が満足する様子を見て自己満足したいという気持だったり、そういったものをもらおうとしていることに気づいたそうです。

 私はこの文章を読んだとき、涙腺が崩壊してしまいました。純粋にヨガが大好きという思いだけでやって来たこの10年。月謝制にしていたらこのぐらい収入があったのになぁという目に見える物欲もそうだし、私は「先生のヨガが一番です」とか「いい先生」という評価も貰いたかったのだと気付きとても恥ずかしく悲しくなりました。生徒さんが少ないレッスンが続くと「この先生は人気がないんだ・・・」とせっかく来てくださっている生徒さんにがっかりされるのでは?とか、人からの評価ばかりを気にしていたのだと。

 そんな自分の思い通りにならない現実に不安や不満を感じ、その思いに向き合いたくなくて認めたくなくて、ネットでの買い物に依存していたのです。

 こうやって自分の気持ちに気付いた後もまだまだお休みの連絡が入って心が乱される毎日(苦笑)・・・。気付いたぐらいでは修行はまだまだ終わらないぞ・・・と言われている気がします。ずっと平穏無事の人生なんてありえません。これからもそうやって続けていくのだと思いますし、自分が成長するために今後も色々と試練が降りかかってくると思います。

 結局、逃げずに向き合うしかないのです。何か別の行為に逃げるのではなく、仕事の悩みは仕事で解決することでしか道は拓けないのだと、しっかりと認識しました。

 そうやって向き合うことで、難病になってからどこかで「こんな私でも頑張ってるんだから、もっと皆も頑張ればいいのに」・・・と上から目線になっていたことにも気付かされました。

 病気だからって何も偉くないのに


 難病と闘っているからって凄いわけでもないし、ガンを克服できたから人間として優れているとかもないし、自閉症だから何か特別な才能があるとも限らないし、目が見えないから心が澄んでいるわけでもないし・・・。病気の人に感動するエピソードが必ずあるとは限らない。

 私はもっと根本的な自分の性質と向き合わないといけないと思いました。病気を受け入れて普通に仕事しているからって何も偉くもないし、特別でもないのだから。実際、子育てしながら、フルタイムで働いて、そしてヨガに通ってくださっている生徒さんが何人もいますが・・・その方たちのほうが凄いなって思います。私なんてヨガを教えているだけで全然偉くもなんでもないのだから。

 自分のそういうちょっとだけ本質からズレていた気持が今の状況を作り出したのだと思うのです。病気によって変わった人生観、価値観ですが、いつのまにか傲慢になっていたところがあったみたいです。襟を正してこれからの2018年を精一杯頑張りたいと思います。

 今年は色々苦しむことになりそうですけれど、その分目の前の世界が広がると良いなと思います。どうか、このまま病気が悪化しないでレッスン続けさせて欲しいというのが私の願いです。合掌