Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2010/2/4 「やり直しについて」
 昨年は年間で3万2753人の方が自殺したそうです。・・・3万人ですよ、3万人・・・。
 
 何故、人は死にたくなるのでしょうか?ひとつの考えとして、「逃げ」があると思います。今の状況がどうしようもないから、どうしたって改善出来そうもないから、だから死をもって終わりにしようとする。

 なんだか、哀しいですね・・・。そういう風に自分を追い込んでしまうことしか出来なかったということが、とても哀しいです。

 今回の「ヨガジャーナルvol.9」にとてもいいことが書いてありました。「やり直しのプラクティス」ということについて、悩んでいる人にとってはヒントになりそうなことが書いてありました。参考にしながら、私にとっての「やり直し」についてまとめてみます。

 「自分を変えたいが、変えられない」と多くの人が思っていることでしょう。私も、そのひとりでした。

 多くの人が自分を変えたいと思っていながら、周りの人が変わってくれるのを望んでしまいます。自分が正しいと思いたいし、その方が楽だからです。でも、絶対周りの人は変わりません。だってその人たちも「自分が正しい、周りを変えたい」と思っているのですから。だから、自分の見方を変えるしかないのです。

 自分を変えようと思った時に誤ってしまうのが、「自分を否定する」ということです。自分の見方を変えるということは、自分が駄目な人間だと自分を否定したり、誰かと比べて、自分の欠点を嘆いたりすることではありません。たいていやり直そうとするときに多くの人は、無理して自分を変えようとしたり、人の真似をしようとして、挫折して、自分に幻滅してしまいます。やっぱり、駄目だった・・・と、やるだけ無駄なのよ・・・と。

 私は自信をなくしてしまった時に、最近はこう考えるようにしています。「最初から自信なんて、あったの?」と。自信とは結局のところ、誰かと比べて自分が良い状況だとか、誰かから認められたとか、そういう曖昧で形のないもの。そういう曖昧なものに期待して、行動したから、自分の心の中にそういった「」があったから、駄目だったのだと。だから、それを気付かせるために、失敗したのだと、そう思うようにしています。最初の頃は人からの評価とか期待に応えたいとか、そんなものはなくって、ただ純粋に好きだからやっていたとか、楽しかったからやっていた・・・はずなのです。

 最初から自信なんて存在しなかったものなのだから、そんなものに惑わされるのはやめよう・・・そう思うようになりました。だから、失敗したとしても何も失うものはないのです。もともと何も持っていないのですから。

 「人の期待に応えないと自分の存在価値がない」と無理する必要もないのです。人の期待というものも、曖昧でその場の状況で変わってしまうものです。

 それよりは、自分の見方を変えていくことです。自分の人生を人の反応に任せていいのかな~って思います。人が褒めるから何かをするとか、これをすれば認められるとか、ある人よりも優れていると証明出来るとか・・・知らぬ間に自分がそういった人の反応に踊らされ、一喜一憂していたことにまずは気付くべきです。

 どんなことが起こってもそれを「損得」や「好き嫌い」で考えるのをやめて、自分が持っていないものや足りないものについて考えるのはやめて、今持っているもの、生きていることに感謝をしていると、「ああ、足りないものなんてない」と思えてきます。ヨガの教えではそれを知足(サントーシャ)といいます。足ることを知る・・・。

 不況、不況と騒ぐ世の中を見ていると、私は多くの人が「知足」の心を忘れているとしか思えません。私はその日その日食べることが出来て、家があって、仕事があったら、何も言うことはないなって思います。たまに外食したり、習い事したり、服を買ったり、旅行に行けたら、これはなんて贅沢なことなんだろう・・・そう思うようになりました。

 自分が持っていないのを嘆いたり、見栄をはって借金までして手に入れようとする人もいらっしゃいますが、必要ないから、持つ必要がないのだな・・・、と思えば全然気になりません。人が沢山持っていても気にならないので、嫉妬する気持ちがなくなりました。
 
 この世に生を受けて、今生きている。これだけで自分は学べる機会を得ているんだから、それ以上、何を不満、不安に思うことがあるのだろう・・・と思えてきます。全てのことに感謝したい気持ちになります。

 だから、もし、何か困難な問題にぶちあたっても、失敗しても、いくらでも「やり直せばいい」と思っています。それが自分にとっては必要なのですから。まだ命があるのだから。

 でも、生きていれば良いことがあるさ・・・なんて、私は言えません。だって、人それぞれ見方によって、物事は幸にも不幸にもなるからです。世の中は不公平だと、自分は不幸だと思っている人の目には全てが不幸に見えてしまう。現実に起こっていることは、自分の心の中の反映なのです。

 だから、自分のそういったものの見方を変えましょう。損とか得とか、好きとか嫌いとか、そういう物差しで物事をはかるのをやめましょう。人からの評価とか悪口とか、そういう変わりやすいものには惑わされないように、一喜一憂しないようにしましょう。

 自分の欠点ばかりを見ずに、結果に執着せずに、出来ることからやってみる。間違ったら、自分を否定するのではなく、見方や、やり方を変えてみる。

 トラブルが起きたときは自分の見方を修正するチャンスです。

 なーんて、私も偉そうなこと言えないんですけどね・・・。まだまだ、落ち込んだり、人からの評価に一喜一憂してしまいますが、そんなときに「これは結果であって、目的ではないのだ」・・・と言い聞かせるようにしています。人から認められてもそのことに執着しないように、人から非難されても、自分を全否定しないように・・・。
 
 私はヨガをしなかったら、今、どんな人生を歩んでいたのだろう?と、時々思います。でも、私にはヨガが必要でした。だからヨガと出逢い、学び、そして、ヨガを必要とする他の方のためにも、ヨガを指導する道を選ぶ必要があったのだと思います。

 人を変えられる力は私にはありません。変えることが出来るのは自分自身だけです。そのことを私はヨガを通して伝えていきたい、そう思っています。 合掌