Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2007/7/29 「考えるのはやめて、感じる」
 初めてヨガを始める方の感想で一番多いのが「呼吸が難しい」というもの。私はその度に、最初は息を止めなければいいので、呼吸のタイミングがわからなければ自分のタイミングで呼吸して頂いていいんですよ・・・と応えていました。でも、それって上手くヨガのことを伝え切れていない気がしました。
 どうしても、現代は「感じる」ことではなく「考える」ことが多い世の中です。子供の頃から「考える」訓練ばかりして来ているので、仕方がありません。私自身も、考えることが人生において大切なことだと思っていました。ヨガと出会うまでは・・・。

 もちろん、考えることも大切です。でも、その前に「感じる」のです。そして考えるのです。
 子供の頃を思い出してみてください。春の雪融けの匂い、夏の草木の匂い、秋の枯れ葉の匂い、冬の朝、雪に包まれてしーんとしている街の空気・・・そんな春夏秋冬も肌で感じていませんでしたか?今はどうでしょう?そんなことを感じるなんて殆どないのではないでしょうか。土の上に寝っ転がって、青空を見上げた時の背中の感触、キラキラとした太陽の光、風の匂い・・・。全て「考える」のではなく、五感で感じていたとは思いませんか?

 それが小学校、中学校、高校・・・と進むにつれ、いつの間にか感じることを忘れ、考えることに時間を費やしてきたように思います。そういった授業ですから、仕方がありませんが。今思えばなんて勿体ないことをしたのだろう?と思います。もっと感じることを大切に生きていたら、もっと色んなことに気付くことが出来たのだと思います。

 昔の人は自然の「気」というものを敏感に感じていました。だから「気」という言葉が身近なものに沢山使われています。例えば「空気」「気温」「気候」「天気」「病気」「気配」「熱気」「湿気」・・・等々。眼に見えない存在を感じていました。考えることばかりしていたら、きっと「気」の存在などわからなかったと思うのです。
 
 ヨガは「考える」ことを忘れて「感じる」時間です。呼吸は考えるものではなく、感じるものです。古いものを出して、新しいものを取り入れるのです。自分が心地よいと思えるなら、私のタイミングでなくても良いのです。無理に合わせなくてもいいですから、呼吸を感じてみましょう。これからのレッスンではその辺りのお話もきちんとさせて頂こうと思いました。合掌