Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2015/10/31 「ヨガ12年生」
 
 10月10日でヨガを始めてから12年目に突入いたしました。学年で言えば小学校6年生ってところですね~。・・・と考えると、まだまだヒヨっ子だなーって思います。でも、自分の歴史上、何かをこれだけ長く続けた経験はないので、やはり私にはヨガが一番合っていたのだなーと改めてヨガと出会えたことに感謝している今日この頃です。

 私がヨガを始めるようになって、様々な変化が起こったことは主にこのコラムで述べています。通常のレッスンではなかなか簡潔に伝えるのも難しく、伝えたとしても人それぞれ受け止め方も違うでしょうし、押し付けがましくなってしまうのもあり、レッスンを始めて間もない頃はヨガの素晴らしさを伝えなくては!!!と鼻息が荒くなっていたのもあって(笑)毎回無理にでも何かしら話をしていたこともありました。それが良いと言ってくださる人もいらっしゃいましたが・・・自分に無理をしていたので、続けられませんでした。

 今ではたまーーに、何かきっかけがあれば話すこともありますが、何か話さなくては!という強迫観念はなくなったのでヨガの思想の話は滅多にしなくなりました。肩の力が抜けたのもありますが、私は私の心からの言葉で自分の経験を通してでしか伝わらないだろうと思うようになったからだと思います。どんなにいい思想を語ったとしても、それは借り物の言葉でしかないし、私が本当に心から思っていることは無理に言おうとしなくても言葉がこぼれ落ちてくるものだと思うからです。

 でも、ヨガの素晴らしさを伝えようと頑張った時期があったから、今こうして肩の力が抜けて私には私だけのヨガを伝えればいいのだと思えるようになったのであって、ガムシャラに突っ走って周りが見えなくなっていた頃があったからこそ、今こうしてバランスが取れるようになったのだと思います。

 ヨガを続けたことで多くの恩恵が与えられたと私は思っています。もちろん、仕事としての報酬ということもありますが、生きがいでもあるし、自分自身の身体のためにもなっています。ですが、こんなにいいものなのに続かない人がいるのは事実です。

 ヨガをやめていった生徒さんの多くは最初「ヨガっていいですね!」と言っていた人が多いのが驚きですが、やる気があったはずなのに、そういう方のほうが去っていってるのです。

 いいな・・・と思っているのに続けられないというのは自分を信じて結果を待てないからなのではないでしょうか?変化も人それぞれですぐにポーズが出来るようになる人もいれば、なかなか上手く出来ない人もいますが、辞めていく人はそれほど出来ない訳じゃない人の方が多いです。ガチガチにかたい人はヨガの必要性が実感できるので続けられるのかもしれません。中途半端な人ほど最初思ったほど変化が起こらないし、他の人と比べると自分は綺麗にポーズがとれないし、続けるのが面倒になり、何か続けられない言い訳をみつけて去っていってしまうのだと思います。

 ヨガを長く続けていれば、ポーズが出来るのはあくまでも結果の一つでありポーズを綺麗に完成させることがゴールではないとわかってきます。けれど長く競争社会に生きていると人と比べることでしか成果を測ることが出来ず、人よりも優れていなければ効果を実感することが出来ないのかもしれません。

 でもヨガは人と競うものじゃないですし、人に見せるわけでもないのだから難しいポーズなんて無理にする必要はないのです。ただ自分が今出来ることを続けていけばいいだけなのです。

 この、自分が今出来ることを真剣に行なう、ということが簡単なようで難しいということを私もヨガを始めてから気付きました。自分が出来ないことを「駄目」だと認識することは簡単に出来ます。諦めて自分を否定することも簡単です。けれど自分はここまで出来るという、評価せずにありのままを認めること・・・これが意外に難しいのです。

 なので、自分が出来ないことばかりに焦点を合わせている人は・・・やめていく傾向にあり、自分が今出来ることを認めて努力しようと思っている人は続けられると思います。

 出来ないことばかりに焦点をあて、自分を卑下し、でも、どこかで自分は本当はこんな自分ではなく何か魔法ですべてが解決されることを願っている人・・・少なくありません。そういう方は悲劇のヒロイン症候群なのでしょうか?自分が変わることを願っているのに変わることを恐れています。自分の力ではなく何か外からの力で変わることを願っているのです。

 そういう人はそのことに気付かない限り、今の出来ない自分を認めることが出来ず、一生「私にはこれが足りないから幸せになれない」と思い込んで、自分の考え方を改めるのではなく足りないものが補われることで変われると思ってしまいます。

 例えば自分は何事も続かない、根気があれば変わることが出来るのになぁって思って、それを言い訳にして自分を変えようとしない人がいます。そういう人は30分は出来なくても5分はやってみようとか、まずは自分が出来そうな目標を立てるべきなのに、5分程度はやっても無駄なんじゃないかとやってみる前から決め付けてしまうのです。それでも、1週間に1回でも通ってみようと思ったはずなのですから、せめてそれだけは続けてみたらいいのになぁーって思います。毎日出来なくても長年続けている方は変化はゆっくりですが、確実に変化していますから。

 悲しいけれど、やめてしまった方とは今は縁がなかったと思って諦めてます。ヨガを指導し始めた頃は落ち込んだりしていましたが、人のことを変えることはできないのだから、自分の考え方を変えるしかありません。ヨガを始めてから「待つ」ということが出来るようになったと思います。しばらくヨガから去っていた方がまた戻ってくる・・・ということもありますから、前は白黒はっきりしなければ前に進めなかった私が「保留」ということが出来るようになりました。

 そして、人なんて変わらないと思っていた私が「人は変われる」と思うようにもなりました。それは私がヨガを続けることで自分が変わることを実感したからだし、12年もの間、自分の身体の変化を待つことが出来ているからなのだと思います。

 ヨガは私に待つこと、自分が変わるしかないことを教えてくれました。 合掌