Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2015/9/30 「あきらめる」
 
 前回のコラムでも書きましたが。最近、体重を減らすことを「あきらめ」ました。その結果、体重が増えにくくなりました。なぜなのだろう?と考えていて、たぶん、現状を受け入れたからなのだと思いました。私は「体重を減らすことは上半身を細くするだけで、下半身は変化しないのだから、無駄な努力なのだ。私のヨガはどちらかというとストレッチ系のヨガなので、体操やエクササイズを取り入れて下半身をシェイプしよう!」と決心してから下半身が変化し始めたと書いたのが先月のこと。体重を減らそうと意識しなくなってふと気づくと、今まで自分が目標としていた体重に自然に近づいてきたのです。

 かつての私はなんとか自分が頑張れば現状が自分の思うように変化していくと思っていました。それも間違いではないけれど、頑張る方向性が違えば、頑張れば頑張るだけ頑固になり、失敗を受け入れることが出来ず、自分の思うとおりにならないことにイラだち、そして結局自分を嫌いになってしまうと思うのです。私も以前は現実に幻滅したりして、「どうせ私は損する運命なのだ」、「世の中みんな不幸になればいいのに」・・・と思ったりしてました。(怖い)
 
 もちろん、ずーーーっとそんな暗いことばかり考えてはいませんでしたが(笑)、落ち込んだとき、上手くいかないときはそう思ってやりすごしてました。あ、それはヨガと出会うまでのお話ですのであしからず。その当時のあきらめるということは受け入れるということではなく、自分から幸せをつかむことを手放す行為と認識していましたから、欲深い私は幸せを手放すなんて勿体無いことは出来なかったので、頑張って強く願っていれば何かご褒美がもらえるはずだと信じて疑わなかったのです。

 だから願うだけで、相手がこうして欲しいだろうなと思っても間違って傷つくことを恐れるあまり反対のことをしてしまったり、わざと気がつかないふりをしたり・・・。訳隔てなく優しく出来る人や自分の意見をいったり自分の信念を貫くような強い人間に憧れていました。そんな風に出来ないのは今の自分に何か足りないからなのだ、と思っていました。

 幸せは誰かから環境なり役割なり物なり何かをもらって、自分に足りないものを埋めてもらうもの
だと思っていたのです。だから一時幸せだと思っても誰かにとられやしないか、壊れてしまうのではないか?と不安にかられて、自分から壊してしまうようなところがありました。今思えば本当に迷走していたというか、青い鳥を捜し求めていたわけです。

 最近思うのは、自分のことをありのまま受け入れて、出来ることを続けていると、かつてあんなに頑張っていたときに手に入らなかったものが手に入っている・・・ということが多くなるということです。

 あきらめるという言葉は諦めると書いて「願い事が叶わないのできっぱり思いを断ち切る」という意味もありますが、明らめると書いて「事情・理由をはっきり見定める」という意味もあるのです。だから、自分が今どうして今の私なのか事情・理由を見定めて、出来ることから自分の考え方生き方を改めていけば、いつか自分が願っていた状況に自然と導かれているかもしれません。

 強く願っている状態って「自分本位で自己否定してる」状態なんだと思います。こうなれば私は幸せになれるのに・・・って思っているってことは今の自分に満足していない、不満を持っているということです。そして、それなのに自分を変えようとせず、環境が変わりさえすれば自分は幸せになれると思っているのです。けれど、根本的に自分に不満があるので、いっとき環境が変わったとしても何かを手に入れたとしても、また問題が起きて、自分を不幸だと呪うようになるんです。美しくなりたいから整形しても、自分の中身が変わっていないし、もともと自己否定したままなので、まだまだ自分は足りない、変わらないといけないと不満を抱き、整形を重ねてしまうのと似ています。

 私はヨガがなかったら本当にどんな人生を送っていたんだろう?とぞっとします。自分を受け入れずに人から受け入れてもらおうなんて、自分本位で身勝手なことに気付かずに死ぬまで貫き通して死んでいったかもしれません。自分より幸せそうな人を妬んで羨んで、口惜しがって生まれたことを後悔して死んでいったかもしれません。自分を受けいれることは凄く時間がかかりますし、まだ100%受け入れていないとは思います。どこかで他力本願な甘えの部分もあって、誰かに認められたいって思うし、誉められたいって思ってしまいますから・・・

 ヨガを始めてからは徐々に自分のことを好きになれたし、成長している実感が持てました。最近は目に見えて老化が始まり、白髪やシワやシミが増えてきたことからはちょっと目を背けたくなりますが、整形までして見た目を維持しようとは思いませんので、自分の努力で維持できることはやっていこうと思っています。諦めるのではなく明らめるのです。

 自分本位な願いは諦めて、自分の現状を明らめ、受け入れる。それが最近の私の考えです。 合掌