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 コラム 

2016/6/30 「ストレス解消法」
 
 先日、NHKスペシャルで「キラーストレス」について2回にわたって放送されていました。
 ストレスについて自分なりにではありますが、まとめてみたいと思います。

 今までストレスについてはコラムでも何度か題材にしてはいたと思います。現代人にとっては切り離せない存在でもあり脅威でもあります。何かにつけて「ストレスが・・・」という言葉をよく耳にしますが、何でもストレスのせいなの?とちょっと疑問に思っていたものが番組を見て納得できたところがありました。

 例えばガンに関しても、どうストレスが関係するのかわかりつつあるようなのです。

 免疫細胞はガン細胞を発見するとやっつけてくれてます。それに今の医学では発見が早ければ治ることが多くなりました。でも、一度ガン組織を切除したのにガンが再発する人とそうでない人にはATF3という免疫に関係する遺伝子が関わっていることがわかったそうです。この遺伝子を生まれつき持っている人は再発率が倍ぐらい高くなってしまうようです。

 ストレスホルモンが多いとAFT3遺伝子にスイッチが入り、ガン細胞をやっつける免疫細胞の働きを抑制してしまうことがわかってきたのです。ストレスホルモンがいなくなるとAFT3のスイッチがオフになり免疫細胞の働きが復活しガン細胞を攻撃しはじめます。常にストレスにさらされているとストレスホルモンが暴走し、ATF3のスッイッチがオンになったままになります。すると免疫細胞が働かなくなるからガン細胞が増殖してしまうということなのです。

 それから、脳溢血や心臓発作などで死亡した方の血管には普通なら血管の中にはいないはずの細菌が見つかっているそうです。例えば口の中にいる細菌が歯茎の出血などが原因で血管に入ってしまい血管の壁に住み着くことがあります。そのままなら細菌は悪さをしませんが、ストレスホルモンは血液中の鉄分を切り離してしまいます。その鉄分を栄養にして細菌は大増殖、血管の壁を溶かして出血してしまうことが最近の研究で判明したそうです。出血した場所が悪ければ死に至るということなのです。

 ストレスホルモンが過剰に分泌されることで単なるストレスが命を脅かすキラーストレスに変貌してしまうのです。

 私たちは何か不安や恐怖を感じたときに副腎に働きかけホルモンを分泌します。そのホルモンの働きで心拍数が上昇し、血管を収縮させ自律神経は興奮状態になり危険を回避しようと準備するのですが、それは太古の昔私たちが天敵から身を守るために反応していたことです。

 今は外敵に出会うこともほぼなくなりましたが、古い脳である扁桃体が不安や恐怖を感じると反応して指示を出してしまいます。それでも単体のストレスならばすぐに収まりますが、現代は常に色んな刺激にさらされていて、自律神経が興奮状態にある時間が長くなりやすく、ストレスホルモンの暴走が様々な問題をひき起こしていると考えられているのです。

 ですから、ストレスホルモンを暴走させないように、慢性的なストレスを抱えないようにしなくてはなりません。ストレス解消法として、①ストレスの原因を遠ざける。②適度な運動。③コーピング。④瞑想が挙げられていました。

 ストレスの原因を遠ざけるのは難しい場合もありますよね。嫌いな上司がいたり、同僚と上手く出来なくて常にストレスを抱えていても、なかなかやめられない場合もあります。家族がストレスの原因の場合もありますし、遠ざけることが出来ない場合のほうが多い気がします。だからこそ、適度にストレスを解消して、自分を追い込まないように上手くストレスをコントロールしなければならないと思います。

 適度な運動は週3回30分程度で40%のストレス軽減効果があるとわかっているそうです。

 そして「コーピング」初めて聞いた言葉でした。これは気分が上がる方法をリストアップし、それをストレスを感じたと思ったときに選んで実行し、ストレスが解消されたかとうか客観的に判断する方法です。もし、ストレスがまだ残っていると思ったら他のものを実行し、また判断。自分でこんなストレスの時はこれをやろうという風に選択できたほうがいいので、100個ぐらい用意しておくほうが良いそうです。例えば「猫の肉球の臭いをかぐ」とか「猫のお腹をなでる」とか「アイスを食べる」など細かくてOKだそうです。

 ストレス反応を起こすのは古い脳ですが客観的に判断するのは新しい脳である前頭葉の一部です。リストアップし実践し判断するという行為は新しい脳で古い脳の暴走を抑えることになるようです。

 そして、瞑想。今アメリカの大企業などでも取り入れられているのは「マインドフルネス」という宗教的な意味合いなどを排除した簡単な、ただ単に自分の呼吸を感じる、観察するという方法。これが何故効果的なのかというと、普段私たちが不安を感じてしまうのは、過去の失敗だったり、未来のことについて考えたときではないでしょうか?呼吸を観察するということは「今、このとき」に集中するということ。人間の脳は同時に二つのことは考えらないですから、不安を感じるような要因を考えなくて済みますよね。なので、ストレス反応が起こらなくなり、暴走が抑制されるのです。10分程度でかなり効果があるようです。

 私は普段ヨガをしているので適度な運動をしていますし、呼吸に意識をむけたり、今の自分の身体の感覚に意識を向けていますので、キラーストレスに変貌するほどストレスは抱えていません。でも、たまーに、不安なことが重なると蕁麻疹が出たり、円形脱毛症になったり胃腸炎になったりしますけど・・・。それも、今回の番組を見て、コーピングでストレスを重ねないようにすることを心がけたら減るのではないかと確信しました。

 そして別の番組でもスマホの普及により脳にストレスを与えていると言っていました。テレビを見ながらSNSやメールをしたり同時に複数の作業をすることをマルチタスクと言うそうですが、同時に行なっているように思えても、脳は使う場所を瞬時に切り替えているので、切り替えが多ければ多いほど脳はストレスを感じてしまうのです。コルチゾールというストレスホルモンが脳の海馬を萎縮させることが最近の研究でわかってきて、うつの患者さんはほぼ海馬が萎縮しているそうなんです。
 
 この海馬の萎縮もコーピングやマインドフルネスなどを行なって改善されることが研究によって明らかになっているみたいです。

 ネットの普及がストレス社会に拍車を掛けていることは疑いようがないですが、ネットは便利ですし、使わないではいられません。うまくネットとつきあってストレスを抱え込まないようにしていきたいものです。とりあえずは「ながらスマホ」は極力しないようにしようと心に誓いました 笑。

 みなさんも、単なるストレスと放っておかず、自分にあった方法を試して小さなストレスのうちに対処すことをお勧めいたします。 合掌