Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2009/5/23 「呼吸の大切さ」
 先日、沖ヨガの龍村修先生のワークショップに参加して来ました。そこで、様々なことを学びましたが・・・その中で、今回は呼吸の大切さについて述べたいと思います。

 呼吸は意識しなくても自動的に行われています。私もヨガをはじめるまでは、呼吸に意識を向けたことなどありませんでした。食べ物を食べなくても1週間程度は生きられると思いますが、呼吸は5分も止めていられません。それだけ、呼吸は大切なものなのに、自動的に行われているだけに、その重要性が見落とされがちです。

 龍村先生に言われてはじめて「あ、そうか!」と思ったことがあります。それは・・・大気中の酸素濃度は約21%だと言われていますが、その大気を吸い込んで、吐き出した時の酸素濃度はどのようになっていると思いますか?私は「酸素を吸って二酸化炭素を吐き出す」というイメージから、なんとなく・・・呼気の時には酸素濃度が5%ぐらいになっているのかしら?と思いました。

 でも、実際は17~18%なんですって。3、4%しか取り入れていないのですね 驚!
 だから・・・人工呼吸(マウスtoマウス)が出来る訳なのです!もし、吐く息に5%ぐらいの酸素濃度しかなかったら、呼吸困難になって、死んでしまいますよね~ 笑

 このお話を皆さんにしたところ、みなさんもまったく疑問に感じたことがなかったようで、そうか!と納得されてました。普段何気なく疑問に思わずに鵜呑みにしていること、きっと沢山あるんでしょうね。色々と調べてみると楽しいかもしれません!という話はさておき・・・呼吸の話に戻します。

 ヨガでポーズを行う時に呼吸に意識を向ける、更に呼吸法を実践することによって、酸素を取り込む量が倍以上アップすると言われています。特に、吸った息を止める保息(クンバカ)をする呼吸法ですと、5倍もアップするそうです!!

 では、呼吸力を上げ、酸素を多く取り込むことで、どんな効果があるのでしょうか?

 ・老廃物が排泄され太りにくい身体になる
 ・ツヤツヤ肌になる
 ・健康的な身体になる
 ・疲労や倦怠感が解消される
 ・免疫力がアップする
 ・イライラや不安感が解消される
 ・集中力がつく
 ・・・などなど。
 ちなみに、私はヨガをはじめてから、ウエストの贅肉が減りましたし、風邪も引いてません。それから、疲れにくくなりましたし、肌はヨガを始める前よりキレイになったと思います。

 今話題の新型インフルエンザも・・・特に若い世代が感染していますが、今の若者の呼吸力が落ちているせいだと思います。お腹のお肉がプルプルして、吐く時にお腹を凹ませられない方・・・呼吸力が落ちていますよ!今すぐ、ヨガの呼吸法を毎日実践してみましょう!

 それでは、呼吸法を実践してみましょう。今回は完全呼吸法をご紹介します。呼吸力を働かせるには姿勢が大切です。猫背で骨盤が倒れている状態では内臓が圧迫されて、浅い呼吸になってしまいます。力まずに良い姿勢を保ち呼吸することで、自然と必要な筋力もつきます。

 まずは、正座でも胡座でもよいですが、骨盤を立て、背筋をすっと伸ばします。腰を反りすぎないように注意しましょう。肩と首の力を抜き、目の力も抜きます。目を閉じて、自然呼吸を数回繰り返し、呼吸を観察します。ありのままの自分の呼吸を見つめましょう。
 それからお臍の3㎝下奥にあると言われる丹田に意識を向けましょう。丹田を背中に近づけるような気持ちで、下腹を凹ませて、息をゆっくりと吐きます。吐ききったら、お腹の力を抜いて、無理に吸い込まず自然と入ってくる空気を最初はお腹、胸、最後は鎖骨の上の方に入れるイメージで吸います。少しだけ息を漏らし、喉を軽く絞めるような感じ、会陰部を軽く内臓の方へ引き上げるようにして息を止めます。そして、また下腹を凹ませゆっくりと息を吐き出します。これを繰り返します。 最初は吸息1:保息1:吐息2の割合で行い、慣れて来たら、1:2:4で行ってみましょう。吐く息に意識を向け、吸う息は意識せず力まずに行いましょう。終わったら、自然呼吸でまたありのままの呼吸を観察し、呼吸の変化、心の変化などを感じてみます。

 猫背で姿勢を正しくするのが辛い方は座骨の下にクッションを入れてもいいし、仰向けに寝て両膝を立てた状態で行っても構いません。とにかく、続けてみてください!継続は力なり!

 私が初めて呼吸法を実践したとき、頭がスッキリとクリアになり、身体に活力がみなぎるのを感じ、精神が安定したのを覚えています。なんて気持ちいいんだろう?とすっかりヨガの虜になりました。普段の呼吸は気が付けば浅く、肩を動かす呼吸になりがちです。ヨガの呼吸法を実践して、間違った呼吸のプログラムを書き換えましょう。

 自動的に呼吸が出来るのは自律神経の働きのおかげです。このプログラムが正しければいいのですが、間違っているから心身に影響が出る訳です。ストレスによる自律神経の乱れは、交感神経が過剰に緊張し、心臓が強く働きすぎて高血圧や肩こりなどの症状を招くことが多いといいます。

 心臓などは自分でコントロールできませんが、呼吸はコントロールできます。息を吐く時は副交感神経が、吸う時は交感神経が強く作用します。呼吸を通じて交感、副交感神経を意識的に刺激し、意志では支配できない自律神経を揺さぶり、鍛えることができるのです。さらに大脳に新鮮な血液がいき渡り、神経伝達物質の一種で充足すると満足感をもたらすとされるセロトニンの分泌が盛んになるともいわれています。


 呼吸の大切さ、奥深さがわかっていただけましたでしょうか?

 身体の歪みをとり、心の歪みもとり、呼吸力をつける・・・そんなヨガを実践し、伝えていきたいと思います。  合掌