Yoga & Relaxation Salon in Otaru ~ Candrika ~
















 コラム 

2012/3/19 「誰でも最初は初心者」
 どんな人でも最初は何かの「初心者」であって、それを飛び越して行くことは絶対に出来ません。もちろん、飲み込みが早いとか筋がいいとか、初心者であっても、個人差があるのは仕方がありません。でもそうやって人と比較してばかりいないで、初心者だからこそ感じられること、気付くこと、その時期をどう過ごすかということのほうが大切なのだと、最近改めて思います。

 私自身、今もまだ股関節周りが硬いですし、ヨガをはじめる前までガチガチに身体が硬かったので、身体が硬い人の気持ちは分かります。自分の身体の硬さを恥ずかしいと感じてしまうものですし、なんで自分はポーズが出来ないのだろうと情けなく感じてしまったりもしますし、一刻も早く自分を変えたいと焦る気持ちもわかります。

 そんな時「もっと簡単に自分の身体を改善できるものがあるのでは?」とか「ヨガは自分にはあっていないのではないか?」という心の声が聞こえてきたりするものです。誰だって、早く効果がでたほうがいいですよね。

 「期待せずに行為に集中せよ」というヨガの教えがあるのですが・・・なかなかどうして難しいです。やっぱり、期待してしまうし、思ったような効果が得られないと不安になります。それはやはり自分は失敗したくないという心理が働いているからだと思います。

 ヨガは現代人に必要なツールだと私は思います。心がざわついて、様々な情報に振り回され、自分を見失いがちな現代人の生活ですが、ヨガをするとざわつく心の波がおさまり、繊細に色々なことを感じられるようになります。それは痩せたいとか、腰痛を良くしたいとか、そういうことが目的でヨガをするのではなくて、ただヨガをするということに集中している時に得られる境地です。身体が柔軟じゃないと得られない感覚ではないしですし、年齢も性別も柔軟性も関係なく行為に集中していれば感じられるものです。

 そのためには受け身ではなく、積極的に今を楽しむこと。ヨガは自分で動かなければならないので、受け身ではいられないものなのですが、「さあ、私を変えてください」というスタンスでレッスンを受けてしまうと、得られるものも得られなくなります。外側ばかりではなく、自分の身体の感覚に意識を向けて感じるということがとても大切になります。

 そして感覚を感じられるようになると、硬い身体も自分の思い込みも「ああ、私はこうなんだな~」とありのままを見つめられるようになってきます。自分を否定するでもなく、周りを否定するのでもなく、客観的に見ることが出来るようになってきます。そして必死に周りに合わせて自分を変えようというのではなく、自然と変わるのを待つというような少し自分と距離を置いた感覚が生まれるような気がします。

 人間って変わることを求めているのに、変わることに不安を感じてしまう、そういう矛盾している生き物です。例えば、仕事や職場に不満があるのに辞めようとしない人は今の仕事を辞めたとしても、次がもっと悪い職場だったらどうしよう、すぐに仕事が見つからないかもしれない・・・という不安感から決心出来ないでいますよね。でも、もしかしたら良い仕事につけるかもしれないし、すぐに見つかるかもしれないじゃないですか。

 今の仕事を好きになれないのに「仕事がないよりはマシだから・・・」と自分に言い聞かせ、やりたくない仕事をして生気を失うぐらいなら、例え安月給だとしても、休みがなくても、好きな仕事をしているほうが楽しいし、充実した日々を送れるはずです。リスクを恐れて行動せずにいると、周囲の人々や環境に支配されて生きるしか術はなくなり、自分の人生が無意味に思えてしまいます。「どうせ上手くいく訳がない」と失望しながら生きることになるのです。

 だって・・・とか、どうせ・・・とかが口癖になっている人は、自らそういう人生を選択しているのだということに気付かなくてはいけません。「年だから」とか「能力がないから」と誰が決めたのでしょう?自分がそう言ってるだけじゃないでしょうか。(私も時々「年だから」と口にしてしまいますが、よくよく考えてみれば、そう決めつけているのは誰でもない自分だったりします・・・反省)

 何事もチャレンジするときは不安なものです。けれどはじめてみなければ何も始まらないのです。失敗なんて、自分が思っているほど周りの人は注目していないんですよね。「ああ、自分じゃなくて良かった」ぐらいにしか思っていないんです。まあ、そんな風に思われたくない気持ちも分かりますけれど、そんなプライドは何の役にも立ちません。

 失敗は成功のもと。本当にそうだと思います。私も毎日「こうすれば良かったな」とか「言い方を間違ったなぁ」とか反省の連続です。けれど失敗があるから、今度はこうしてみようと改善策が見つかるのであって、失敗なしに最初から完璧に出来るはずなんてありません。経験とは失敗の積み重ねじゃないでしょうか。失敗したことでより良いヒントが得られたとか、知識を得ることが出来たと考えれば、失敗することはむしろ歓迎すべきことになります。

 コラムでも何度も申し上げてますが、やはり全ては自分の心の中なのですね。失敗を人生の汚点とするか、そこから学び成長する糧とするか、自分次第です。

 春になると、何かを始めてみたいと思う人が増えてくる時期ですね。思い立ったら、何かを始めてみてはいかがでしょうか?はじめなければ何も始まりません。まずは何かの初心者になって、積極的に楽しんで、失敗から学び、継続して熟練者を目指しましょう!  合掌